【一級建築士】設計製図の試験『スパン割の検討』|エスキスの方法7
①一級建築士「設計製図の試験」の『スパン割の検討』の方法について知りたい方。
②「設計製図の試験」の独学合格を目指されている方。
③「設計製図の試験」のエスキス方法に悩まれている方。
こんにちは、建築チャンネルです。
この記事では、一級建築士の「設計製図の試験」の『スパン割の検討』について解説したいと思います。
『スパン割の検討』において大切なことは、「基本型との照合と調整、建築面積、床面積」の3項目を確認することです。
この記事では、これらの確認方法を紹介したいと思います。
令和元年10月13日実施の課題をもとに解説しておりますので、必要な方は下のリンクよりダウンロードをお願いします。
→令和元年10月13日実施「設計製図の課題」ダウンロードページ
それでは早速、本題に移りたいと思います。
「設計製図の試験」の『スパン割の検討』
はじめに、『スパン割の検討』の位置づけを説明します。
『スパン割の検討』は、エスキスの手順の一部です。
下記に、その手順の一例を示します。
【エスキスの手順の一例】
1.課題文の読み取り
2.敷地条件の整理
3.設計条件の整理
4.キーワードの整理
5.断面検討
6.建築可能範囲の検討
7.スパン割の検討
8.平面検討
9.プランニングの検討
このように、エスキスの手順の7番目に行うことが『スパン割の検討』です。
『スパン割の検討』に必要な道具
次に、『スパン割の検討』に必要な道具について説明します。
必要な道具は、全部で5つです。
製図用シャープペンシル
製図用のシャープペンシルです。
「設計製図の試験」において、最も使用する道具の1つですので、文房具屋さんなどで描きやすさを確かめてから購入することをおすすめします。
三角スケール
エスキスは、1/400や1/1000で検討することが多いです。
そのため、1/400の縮尺がある製品をおすすめします。
プロジェクトペーパーA4
エスキスを行うための下書用紙です。
試験本番の下書用紙はA2ですが、持ち運びやすさを考慮しA4を掲載しています。
関数電卓
関数電卓は数式が表示されるため、おすすめしています。
卓上ストップウォッチ
時間を計測するために使用します。
腕時計や教室時計を見る時間も惜しいですので、卓上ストップウォッチをおすすめしています。
『スパン割の検討』で確認すべき項目
図1:下書用紙の使い方の一例
次に、『スパン割の検討』において確認すべき項目を説明します。
冒頭でも記載したように、『スパン割の検討』において大切なことは、下記の3項目を確認することです。
【確認すべき項目】
①基本型との照合と調整
②建築面積
③床面積
描く場所の目安は、図1を参照ください。
ここからは、➀から④の確認内容を順番に解説します。
➀基本型との照合と調整
図2:『スパン割の検討』の例
この項目では、42m×28mの基本型と照合し、スパンを調整します。
スパン割の基本型は、42m×28mの長方形です。
この理由は主に2つあります。
1つ目は、「設計製図の試験」では構造計画を鑑み、6mや7mスパンでの計画が多いからです。
その他のスパンで計画例が無いという意味ではありません。
2つ目は、過去問の分析から、敷地形状の平均値が、X方向47m、Y方向37mであるからです。
そのため、42m×28mを基本型とすれば、敷地に入る可能性が高いです。
以上の理由から、スパン割の基本型は下図のように考えます。
図3:スパン割の基本型
図3のように、6スパン×4スパンと7スパン×4スパンが基本型です。
この型をテンプレートとして、建築可能範囲に応じてスパンを調整します。
また、平面検討の際は、図3の緑線のように「川の字で3分割にゾーニング」すると考えやすいです。
②建築面積
この項目では、調整後のスパン割で建築面積の上限値を超えていないかを確認します。
建築面積の上限値を超えてしまった場合は、さらに調整を行います。
③床面積
この項目では、調整後のスパン割で床面積の上限値を超えていないかを確認します。
床面積の上限値を超えてしまった場合は、調整が必要な面積に応じて対応方法を検討します。
大幅な調整が必要な場合は、スパンを見直します。
調整面積が小さい場合は、吹き抜けの大きさや屋根を設けるなどして対応します。
まとめ
ここまで、一級建築士「設計製図の試験」の『スパン割の検討』を解説してきました。
この記事の振り返りとして、重要な部分をまとめたいと思います。
・エスキスの手順の7番目に行うことが『スパン割の検討』。
・『スパン割の検討』において大切なことは、下記の3項目を確認すること。
①基本型との照合と調整
②建築面積
③床面積
・基本型との照合と調整では、42m×28mの基本型と照合し、スパンを調整する。
・建築面積では、調整後のスパン割で建築面積の上限値を超えていないかを確認する。
・床面積では、調整後のスパン割で床面積の上限値を超えていないかを確認する。
この記事が、これから資格取得を目指す方にとって、少しでもお役に立てば幸いです。
最後まで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。