一級建築士とは?【業務内容・年収・受験資格・試験日程・合格率など】

2020年7月9日一級建築士

一級建築士とは

この記事のオススメ読者

①一級建築士の仕事について、その概要を知りたい方

②一級建築士の平均年収を知りたい方

③一級建築士試験について、試験内容や合格率などの概要を知りたい方

「一級建築士ってどんな仕事なの?」

「どうやったら一級建築士になれるの?」

と疑問をもつ方もいらっしゃるかと思います。

そこで、本記事では「一級建築士」の仕事や資格について、その概要を解説していきます。

一級建築士の仕事について

設計図面

設計図の一例(展開図)

はじめに、建築士の仕事について、簡単に説明します。

その後、一級建築士と二級建築士の違いや年収について解説していきます。

そもそも建築士ってどんな仕事なの?

建築士とは、建築物の「設計」及び「工事監理」等の業務を行う技術者のことです。

「設計」とは、建築物の設計図を描くことです。

「工事監理」とは、工事が設計図のとおりに実施されているかを確認することです。

つまり、建築士の仕事は、建築物の設計図を描き、その設計図と工事状況を照合し確認することです。

※厳密にいうと、建築士の仕事は非常に多岐にわたります。上記の内容は、建築士が担う仕事の一部であるとご理解ください。

一級建築士、二級建築士、木造建築士の違いについて

次に、建築士の分類についてです。

建築士は、建築物の用途、規模、構造に応じて、下記の3つに分類されます。

・一級建築士
・二級建築士
・木造建築士

これらの資格の違いは、主に2つあります。

1つは、免許証の発行元の違いです。

一級建築士の免許証は、国土交通大臣から交付されます。

二級建築士、木造建築士の免許証は、都道府県知事から交付されます。

もう1つは、建築物の業務範囲の違いです。

一級建築士は、全ての構造、規模、用途の建築物について、「設計」及び「工事監理」を行うことができます。

二級建築士は、比較的小規模の建築物、木造建築士は、さらに小規模な建築物についてのみ、「設計」及び「工事監理」を行うことができます。

業務範囲について、より詳細に知りたい方は、下のリンクを参照ください。

→建築士の種類と業務範囲

一級建築士の平均年収について

次に、一級建築士の平均年収についてです。

一級建築士の平均年収は、666.00万円です。

下記に、職種別の平均年収ランキングを掲載します。

順位職種年収
(万円)
1航空機操縦士1389.54
2医師1241.05
3大学教授1006.50
4大学准教授805.47
5公認会計士、税理士734.08
6弁護士720.52
7高等学校教員708.39
8記者673.39
9大学講師668.90
10一級建築士666.00
11自然科学系研究者637.98
12技術士631.78
13掘削・発破工626.64
14薬剤師530.06
15システム・エンジニア526.48
16歯科医師503.22
17各種学校・専修学校教員497.12
18獣医師487.24
19自動車外交販売員483.37
20社会保険労務士481.53
21診療放射線・診療エックス線技師469.50
22電車運転士468.95
23化学分析員460.64
24鉄筋工452.89
25発電・変電工448.66
26測量技術者446.29
27非鉄金属精錬工443.15
28機械製図工441.71
29航空機客室乗務員441.38
30看護師440.35
31家庭用品外交販売員435.06
32デザイナー432.92
33機械修理工428.62
34型鍛造工425.02
35臨床検査技師423.55
36一般化学工423.41
37旅客掛420.14
38クレーン運転工417.82
39電車車掌413.03
40製鋼工412.05
41プログラマー411.07
42旋盤工410.84
43保険外交員410.45
44電気工410.42
45ガラス製品工410.38
46陶磁器工408.15
47左官408.10
48港湾荷役作業員406.92
49鉄工405.62
50圧延伸張工404.52
51鉄鋼熱処理工402.27
52理学療法士、作業療法士401.33
53自動車整備工399.99
54プロセス製版工397.48
55鋳物工392.54
56歯科技工士390.65
57電気めっき工388.45
58配管工388.38
59オフセット印刷工387.66
60金属プレス工386.79
61金属・建築塗装工386.19
62准看護師385.67
63溶接工385.40
64幼稚園教諭383.38
65介護支援専門員(ケアマネージャー)381.94
66営業用大型貨物自動車運転者379.27
67フライス盤工379.06
68バフ研磨工378.47
69不動産鑑定士377.30
70化繊紡糸工376.41
71板金工376.30
72自動車組立工376.26
73個人教師、塾・予備校講師374.15
74歯科衛生士373.91
75重電機器組立工373.25
76大工371.03
77営業用バス運転者370.98
78機械組立工370.21
79とび工370.04
80製紙工367.21
81玉掛け作業員364.48
82建設機械運転工363.00
83機械検査工361.19
84合成樹脂製品成形工361.96
85土工361.87
86自家用貨物自動車運転者357.56
87半導体チップ製造工356.93
88電子計算機オペレーター356.71
89仕上工351.51
90保育士(保母・保父)346.86
91紙器工345.36
92営業用普通・小型貨物自動車運転者345.14
93ワープロ・オペレーター343.21
94栄養士339.98
95ボイラー工335.68
96福祉施設介護員328.94
97建具製造工325.93
98金属検査工325.77
99通信機器組立工321.02
100家具工320.14
101調理士314.18
102娯楽接客員311.78
103ホームヘルパー311.42
104販売店員(百貨店店員を除く。)304.60
105タクシー運転者302.20
106製材工301.05
107自家用乗用自動車運転者301.03
108守衛299.99
109百貨店店員298.70
110理容・美容師294.24
111キーパンチャー290.00
112パン・洋生菓子製造工289.36
113看護補助者288.07
114プリント配線工282.60
115精紡工279.68
116給仕従事者278.00
117用務員275.89
118警備員273.15
119軽電機器検査工268.56
120型枠大工264.09
121はつり工261.88
122洗たく工250.55
123ビル清掃員246.96
124調理士見習236.90
125スーパー店チェッカー234.60
126織布工232.61
127木型工227.42
128ミシン縫製工214.05
129洋裁工171.07
平均年収411.94

上表から、一級建築士の年収は129職種中10位にランクインしていることが読み取れます。

【参考データ】
厚生労働省
賃金構造基本統計調査2019年

一級建築士の試験について

建築士試験の受験要件変更

続いて、一級建築士試験について、その概要を解説します。

ここでは、受験資格や試験日程、試験内容や合格率などを説明します。

受験資格

はじめに、受験資格についてです。

令和2年3月1日より、建築士試験の受験資格が改められました。

それに伴い、一級建築士の受験資格も下図のように変更になりました。

建築士試験の受験資格の見直し

出典:国土交通省

法改正前は、一級建築士を受験するためには、大学卒業後に実務経験が必要でした。

法改正後は、大学卒業直後から一級建築士試験を受験できるようになりました。

つまり、実務経験が「受験資格要件」から「免許登録要件」に改正されました。

注意点は、学校によって履修が必要な科目が異なることです。

さらに詳細を知りたい方は、下のリンクを参照ください。

→学校過程別の指定科目に該当する科目

試験日程

次に、試験の日程についてです。

参考に、令和2年の一級建築士試験の日程を下に示します。

一級建築士の試験日程

出典:建築技術教育普及センター

試験日に関しては、毎年多少のずれはありますが、学科試験が7月、製図試験は10月に行われています。

毎年、日曜日に試験が実施されています。

試験内容

続いて、試験内容についてです。

一級建築士の試験は、「学科の試験」と「設計製図の試験」が行われます。

「学科の試験」に合格した方のみ、「設計製図の試験」へと進めます。

各試験の概要を下表に示します。

試験の種類試験の区分出題形式出題科目出題数試験時間
一級建築士試験学科の試験 四肢択一式学科I(計画)20問計2時間
学科II(環境・設備)20問
学科III(法規)30問1時間45分
学科IV(構造)30問計2時間45分
学科V(施工)25問
設計製図の試験あらかじめ公表する
課題の建築物につい
ての設計図書の作成
設計製図1課題6時間30分

「学科の試験」は、5科目で構成されています。

全科目を合計した試験時間は、6時間30分です。

出題数は、全125問です。

「設計製図の試験」は、試験実施年の7月を目安に、前もって課題が公表されます。

公表される内容は、建築物の用途や要求図書、建築物の計画に当たっての留意事項などです。

そして、試験当日により詳細な設計条件や敷地条件が出題され、それをもとに製図を行います。

「設計製図の試験」では、計画・設備・法規・構造・施工などの知識に加え、空間の構成力や設計意図の表現力、記述力など、より総合的な理解力がとわれます。

これらの試験に合格した後、実務経験を経て、一級建築士の免許登録が行えます。

合格率

次に、一級建築士試験の合格率についてです。

令和元年の合格率は、学科が22.80%、製図が35.20%、総合合格率が12.00%でした。

下表に、平成20年から令和元年までの合格率を示します。

年度試験合格率総合合格率受験者数
(人)
合格者数
(人)
令和元年学科22.80%12.00%25,1325,729
製図35.20%10,1513,571
平成30年学科18.30%12.50%25,8784,742
製図41.40%9,2513,827
平成29年学科18.40%10.80%26,9234,946
製図37.70%8,9313,365
平成28年学科16.10%12.00%26,0964,213
製図42.40%8,6533,673
平成27年学科18.60%12.40%25,8044,806
製図40.50%9,3083,774
平成26年学科18.30%12.60%25,3954,653
製図40.40%9,4603,825
平成25年学科19.00%12.70%26,8015,103
製図40.80%9,8304,014
平成24年学科18.20%12.40%29,4845,361
製図41.70%10,2424,276
平成23年学科15.70%11.70%32,8435,171
製図40.70%11,2024,560
平成22年学科15.10%10.30%38,4765,814
学科41.80%10,7054,476
平成21年製図19.60%11.00%42,5698,323
学科41.20%12,5455,164
平成20年製図15.10%8.10%48,6517,364
学科41.70%9,9354,144

ここ数年の総合合格率は、12%前後であることが読み取れます。

また、受験者数を比較すると、平成20年が48,651人に対し令和元年は25,132人です。

受験者数が約48%減少していることが分かります。

まとめ

ここまで、一級建築士の仕事と資格について、その概要を解説してきました。

この記事の振り返りとして、重要な部分をまとめたいと思います。

この記事のまとめ

①建築士の仕事は、建築物の設計図を描き、その設計図と工事状況を照合し確認すること。

②一級建築士と二級建築士の違いは、免許証の発行元と建築物の業務範囲。

③一級建築士の免許証は、国土交通大臣から交付される。

④一級建築士は、全ての構造、規模、用途の建築物について、設計及び工事監理を行うことができる。

⑤一級建築士の平均年収は、666.00万円。

⑥一級建築士の平均年収は、129職種中10位にランクイン。

⑦一級建築士試験は、必要な科目を履修した上で大学を卒業した場合、すぐに受験可能。

⑧一級建築士試験の実務経験が、「受験資格要件」から「免許登録要件」に改正された。

⑨一級建築士試験は、「学科の試験」と「設計製図の試験」が実施される。

⑩一級建築士試験の総合合格率は、令和元年は12.00%。

この記事が、就職に悩まれている方やこれから資格取得を目指す方にとって、少しでもお役に立てば幸いです。

最後まで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。

2020年7月9日一級建築士