【一級建築士】設計製図の試験『建築可能範囲の検討』|エスキスの方法6
①一級建築士「設計製図の試験」の『建築可能範囲の検討』の方法について知りたい方。
②「設計製図の試験」の独学合格を目指されている方。
③「設計製図の試験」のエスキス方法に悩まれている方。
こんにちは、建築チャンネルです。
この記事では、一級建築士の「設計製図の試験」の『建築可能範囲の検討』について解説したいと思います。
『建築可能範囲の検討』において大切なことは、「境界線からの離れ、屋外施設、建築面積との比較」の3項目を確認することです。
この記事では、これらの確認方法を紹介したいと思います。
令和元年10月13日実施の課題をもとに解説しておりますので、必要な方は下のリンクよりダウンロードをお願いします。
→令和元年10月13日実施「設計製図の課題」ダウンロードページ
それでは早速、本題に移りたいと思います。
「設計製図の試験」の『建築可能範囲の検討』
はじめに、『建築可能範囲の検討』の位置づけを説明します。
『建築可能範囲の検討』は、エスキスの手順の一部です。
下記に、その手順の一例を示します。
【エスキスの手順の一例】
1.課題文の読み取り
2.敷地条件の整理
3.設計条件の整理
4.キーワードの整理
5.断面検討
6.建築可能範囲の検討
7.スパン割の検討
8.平面検討
9.プランニングの検討
このように、エスキスの手順の6番目に行うことが『建築可能範囲の検討』です。
『建築可能範囲の検討』に必要な道具
次に、『建築可能範囲の検討』に必要な道具について説明します。
必要な道具は、全部で5つです。
製図用シャープペンシル
製図用のシャープペンシルです。
「設計製図の試験」において、最も使用する道具の1つですので、文房具屋さんなどで描きやすさを確かめてから購入することをおすすめします。
三角スケール
エスキスは、1/400や1/1000で検討することが多いです。
そのため、1/400の縮尺がある製品をおすすめします。
プロジェクトペーパーA4
エスキスを行うための下書用紙です。
試験本番の下書用紙はA2ですが、持ち運びやすさを考慮しA4を掲載しています。
関数電卓
関数電卓は数式が表示されるため、おすすめしています。
卓上ストップウォッチ
時間を計測するために使用します。
腕時計や教室時計を見る時間も惜しいですので、卓上ストップウォッチをおすすめしています。
『建築可能範囲の検討』で確認すべき項目
図1:下書用紙の使い方の一例
次に、『建築可能範囲の検討』において確認すべき項目を説明します。
冒頭でも記載したように、『建築可能範囲の検討』において大切なことは、下記の3項目を確認することです。
【確認すべき項目】
①境界線からの離れ
②屋外施設
③建築面積との比較
描く場所の目安は、図1を参照ください。
ここからは、➀から③の確認内容を順番に解説します。
➀境界線からの離れ
図2:『建築可能範囲の検討』の例
この項目では、隣地境界線からの離れを確認します。
基本的な隣地境界線からの離れは「2m」に設定します。
そのため図2では、道路がある北側以外は2mとしています。
②屋外施設
この項目では、屋外施設の計画に伴う、建物配置を確認します。
屋外施設とは、課題文の「その他の施設等」に記入されている内容です。
例えば、駐車場や駐輪場、テラスなどのことです。
令和元年10月13日実施の課題では、屋外テラスを30㎡以上、公園の眺望に配慮して計画する必要があります。
『敷地条件の整理』にて行った周辺環境の確認をもとに、図2では、2方向公園に面しており、日当たりも良好な南西角に屋外テラスを配置する前提で、建築可能範囲を検討しています。
③建築面積との比較
この項目では、建築可能範囲の面積と建築面積の上限値を比較します。
図2より、建築可能範囲の面積は、建築面積の上限値を超えていることが分かります。
この設定では、建蔽率オーバーで失格になってしまいますので、『スパン割の検討』にて面積調整を行います。
まとめ
ここまで、一級建築士「設計製図の試験」の『建築可能範囲の検討』を解説してきました。
この記事の振り返りとして、重要な部分をまとめたいと思います。
・エスキスの手順の6番目に行うことが『建築可能範囲の検討』。
・『建築可能範囲の検討』において大切なことは、下記の3項目を確認すること。
①境界線からの離れ
②屋外施設
③建築面積との比較
・境界線からの離れでは、隣地境界線からの離れを確認する。
・屋外施設では、屋外施設の計画に伴う、建物配置を確認。
・建築面積との比較では、建築可能範囲の面積と建築面積の上限値を比較する。
この記事が、これから資格取得を目指す方にとって、少しでもお役に立てば幸いです。
最後まで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。