【一級建築士】設計製図の試験『断面検討』|エスキスの方法5
①一級建築士「設計製図の試験」の『断面検討』の方法について知りたい方。
②「設計製図の試験」の独学合格を目指されている方。
③「設計製図の試験」のエスキス方法に悩まれている方。
こんにちは、建築チャンネルです。
この記事では、一級建築士の「設計製図の試験」の『断面検討』について解説したいと思います。
『断面検討』において大切なことは、「最大必要建築面積、各階の面積バランス、断面構成」の3項目を確認することです。
この記事では、これらの確認方法を紹介したいと思います。
令和元年10月13日実施の課題をもとに解説しておりますので、必要な方は下のリンクよりダウンロードをお願いします。
→令和元年10月13日実施「設計製図の課題」ダウンロードページ
それでは早速、本題に移りたいと思います。
「設計製図の試験」の『断面検討』
はじめに、『断面検討』の位置づけを説明します。
『断面検討』は、エスキスの手順の一部です。
下記に、その手順の一例を示します。
【エスキスの手順の一例】
1.課題文の読み取り
2.敷地条件の整理
3.設計条件の整理
4.キーワードの整理
5.断面検討
6.建築可能範囲の検討
7.スパン割の検討
8.平面検討
9.プランニングの検討
このように、エスキスの手順の5番目に行うことが『断面検討』です。
『断面検討』に必要な道具
次に、『断面検討』に必要な道具について説明します。
必要な道具は、全部で5つです。
製図用シャープペンシル
製図用のシャープペンシルです。
「設計製図の試験」において、最も使用する道具の1つですので、文房具屋さんなどで描きやすさを確かめてから購入することをおすすめします。
三角スケール
エスキスは、1/400や1/1000で検討することが多いです。
そのため、1/400の縮尺がある製品をおすすめします。
プロジェクトペーパーA4
エスキスを行うための下書用紙です。
試験本番の下書用紙はA2ですが、持ち運びやすさを考慮しA4を掲載しています。
関数電卓
関数電卓は数式が表示されるため、おすすめしています。
卓上ストップウォッチ
時間を計測するために使用します。
腕時計や教室時計を見る時間も惜しいですので、卓上ストップウォッチをおすすめしています。
『断面検討』で確認すべき項目
図1:下書用紙の使い方の一例
次に、『断面検討』において確認すべき項目を説明します。
冒頭でも記載したように、『断面検討』において大切なことは、下記の3項目を確認することです。
【確認すべき項目】
①最大必要建築面積
②各階の面積バランス
③断面構成
描く場所の目安は、図1を参照ください。
ここからは、➀から③の確認内容を順番に解説します。
➀最大必要建築面積
図2:『断面検討』の例
この項目では、床面積を上限値で設定した際の、建築面積を確認します。
令和元年10月13日実施課題では、床面積の合計は、2000㎡以上2400㎡以下でした。
この場合、上限値である2400㎡に床面積に含まれない要求室を足し、階数で割りることで最大必要建築面積を算出します。
この課題において床面積に含まれない要求室は、吹き抜け、多目的展示室の上部、屋上庭園です。
図2の例では、最大必要建築面積が建築面積の上限を超えています。
そのため、最大必要建築面積=建築面積の上限となります。
②各階の面積バランス
この項目では、各階に面積を振り分けた際のバランスを確認します。
図2では、階指定がある要求室は四角で囲っています。
面積バランスを検討する際のポイントは、要求室を最初から細かく振り分けすぎないことです。
はじめは、管理部門や関連諸室などの大きなゾーンごとに振り分けることが大切です。
③断面構成
この項目では、階高を含めた断面構成を確認します。
『設計条件の整理』で確認した内容をもとに、階高の設定、要求室同士のつながりや配置に思い違いがないかを検討します。
まとめ
ここまで、一級建築士「設計製図の試験」の『断面検討』を解説してきました。
この記事の振り返りとして、重要な部分をまとめたいと思います。
・エスキスの手順の5番目に行うことが『断面検討』。
・『断面検討』において大切なことは、下記の3項目を確認すること。
①最大必要建築面積
②各階の面積バランス
③断面構成
・最大必要建築面積では、床面積を上限値で設定した際の、建築面積を確認する。
・各階の面積バランスでは、各階に面積を振り分けた際のバランスを確認する。
・断面構成では、階高を含めた断面構成を確認する。
この記事が、これから資格取得を目指す方にとって、少しでもお役に立てば幸いです。
最後まで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。