【一級建築士】設計製図の試験『課題文の読み取り』|エスキスの方法1
①一級建築士「設計製図の試験」の『課題文の読み取り』方法について知りたい方。
②「設計製図の試験」の独学合格を目指されている方。
③「設計製図の試験」のエスキス方法に悩まれている方。
こんにちは、建築チャンネルです。
この記事では、一級建築士の「設計製図の試験」の『課題文の読み取り』について解説したいと思います。
『課題文の読み取り』において最も大切なことは「読み落としを予防すること!」です。
この記事では、その予防策や読み取りの方法をご紹介したいと思います。
令和元年10月13日実施の課題をもとに解説しておりますので、必要な方は下のリンクよりダウンロードをお願いします。
→令和元年10月13日実施「設計製図の課題」ダウンロードページ
それでは早速、本題にうつりたいと思います。
「設計製図の試験」の『課題文の読み取り』
はじめに、『課題文の読み取り』の位置づけを説明します。
『課題文の読み取り』は、エスキスの手順の一部です。
下記に、その手順の一例を示します。
【エスキスの手順の一例】
1.課題文の読み取り
2.敷地条件の整理
3.設計条件の整理
4.キーワードの整理
5.断面検討
6.建築可能範囲の検討
7.平面検討
8.プランニングの検討
このように、エスキスの手順の最初に行うことが『課題文の読み取り』です。
課題文の構成
次に、課題文の構成について説明します。
課題文は、上図のように3部構成になっています。
【課題文の構成】
図の①部分:Ⅰ.設計条件
図の②部分:Ⅱ.要求図書
図の③部分:敷地図、防火設備等の凡例、その他の図等
「Ⅰ.設計条件」部分には、建蔽率や容積率、床面積の合計範囲や要求室など、設計するための条件が詳細に書かれています。
「Ⅱ.要求図書」部分には、要求図面や面積表、計画の要点等について必要事項が詳細に示されています。
「敷地図、防火設備等の凡例、その他の図等」部分には、敷地の条件、凡例、その他の図等が年度によっては描かれています。
読み落としの予防策
次に、読み落としの予防策について説明します。
冒頭でも記載したように、『課題文の読み取り』において最も大切なことは「読み落としを予防すること!」です。
では、どのように読み落としを予防したらよいのでしょうか?
結論からいうと、「課題文の重要度を塗り分ける」ことが大切です。
具体的には、上図のように3種類に課題文を塗り分けます。
【課題文の塗り分け方法】
オレンジ色:最重要な設計条件
ピンク色 :重要な設計条件
黄色 :作図表現に関る条件
これらの塗り分けの目的は、読み落としの予防の他にもう1つあります。
それは、チェックリストの作成です。
重要度を塗り分けることで、エスキス段階、作図段階でのチェックをしやすくする意図があります。
つまり、チェックリストを作成するつもりで、「課題文の重要度の塗り分け」を行うことが大切です。
次に、各色ごとに塗り分ける項目を説明します。
▼オレンジ色
オレンジ色は、「最重要な設計条件」です。
具体的には、階や配置の指定、アプローチや動線の指定、眺望指定などを塗り分けます。
つまり、最重要な設計条件とは、読み落とした場合に一発失格になりうる項目のことです。
オレンジ色は、エスキス段階で常にチェックが必要です。
▼ピンク色
ピンク色は、「重要な設計条件」です。
具体的には、要求室の面積や特記事項、エスキスに関る項目などを塗り分けます。
つまり、重要な設計条件とは、エスキスを行う上で読み落としてはいけない項目です。
ピンク色は、エスキス段階でチェックが必要です。
▼黄色
黄色は、「作図表現に関る条件」です。
具体的には、什器、破線や点線の表記などを塗り分けます。
つまり、作図表現に関る条件とは、作図表現しなければいけない項目です。
黄色は、作図段階でチェックが必要です。
『課題文の読み取り』に必要な道具
次に、『課題文の読み取り』に必要な道具について説明します。
必要な道具は、全部で4つです。
ノック式蛍光ペン
重要度の塗り分けに使用します。
蓋をとる時間すらもったいないため、ノック式をおすすめしています。
赤ペン
課題文を読む際に使用します。
赤ペンであれば、フリクションでなくても問題ないです。
関数電卓
関数電卓は数式が表示されるため、おすすめしています。
卓上ストップウォッチ
時間を計測するために使用します。
腕時計や教室時計を見る時間も惜しいですので、卓上ストップウォッチをおすすめしています。
『課題文の読み取り』方法
ここからは、具体的な『課題文の読み取り』方法について説明します。
読み取りは全3回行います。
読み取り時間の目安は30分です。
読み取り1回目
読み取り1回目は、課題文の全体像をつかむことが目的です。
上図のように、重要部分に赤線を引きます。
読み取り2回目
読み取り2回目は、重要度の塗り分けを行います。
オレンジ色、ピンク色、黄色の3色を使用します。
読み取り3回目
読み取り3回目は、塗り分けしていない部分を再度読みます。
重大な読み落としがないかを確認することが目的です。
まとめ
ここまで、一級建築士「設計製図の試験」の『課題文の読み取り』を解説してきました。
この記事の振り返りとして、重要な部分をまとめたいと思います。
①『課題文の読み取り』において最も大切なことは「読み落としを予防すること!」
②エスキスの手順の最初に行うことが『課題文の読み取り』。
③読み落とし予防として、「課題文の重要度を塗り分ける」ことが大切。
④「課題文の重要度を塗り分け」の目的は下記の2つ。
・読み落とし予防
・チェックリストの作成
⑤チェックリストを作成するつもりで、「課題文の重要度の塗り分け」を行うことが大切。
⑥課題文の塗り分け方法は下記。
・オレンジ色:最重要な設計条件
・ピンク色 :重要な設計条件
・黄色 :作図表現に関る条件
⑦最重要な設計条件とは、読み落とした場合に一発失格になりうる項目。
⑧重要な設計条件とは、エスキスを行う上で読み落としてはいけない項目。
⑨作図表現に関る条件とは、作図表現しなければいけない項目。
⑩『課題文の読み取り』は全3回行う。
⑪読み取り時間の目安は30分。
⑫読み取り1回目は、課題文の全体像をつかむことが目的。
⑬読み取り1回目は、重要部分に赤線を引く。
⑭読み取り2回目は、重要度の塗り分けを行う。
⑮読み取り3回目は、塗り分けしていない部分を再度読む。
⑯読み取り3回目は、重大な読み落としがないかを確認することが目的。
この記事が、これから資格取得を目指す方にとって、少しでもお役に立てば幸いです。
最後まで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。