【一級建築士】設計製図の試験『過去問分析』|平成15年から令和元年
①「設計製図の試験」の出題課題を確認したい方。
②一級建築士試験を受験予定の方で、過去問について知りたい方。
こんにちは、建築チャンネルです。
この記事では、一級建築士の「設計製図の試験」の過去問分析を行いたいと思います。
対象とした期間は、平成15年から令和元年の17年分です。
直近7年分の試験問題や標準解答例は、建築技術教育普及センターにてダウンロードできます。
特に、合格基準等のPDFは、試験対策をする上でとても大切です。
詳細は、下のリンクページをご確認ください。
それでは早速、本題にうつりたいと思います。
「設計製図の試験」の過去問分析
過去問を分析するにあたり、下記7つの表を作成しました。
・採点結果の区分の分析表
・課題の系統と変更点の分析表
・階数や床面積、課題の特色の分析表
・敷地面積の分析表
・構造種別の分析表
・設備計画の分析表
・要求図書の分析表
ここからは、これらの表をもとに解説していきます。
採点結果の区分の分析表
年号 | 課題名 | Ⅰ | Ⅱ | Ⅲ | Ⅳ |
---|---|---|---|---|---|
R1 | 美術館の分館(10/13実施) | 36.60% | 3.00% | 29.20% | 31.30% |
H30 | 健康づくりのためのスポーツ施設 | 41.40% | 16.30% | 16.50% | 25.90% |
H29 | 小規模なリゾートホテル | 37.70% | 21.20% | 29.90% | 11.20% |
H28 | 子ども・子育て支援センター (保育所、児童館・子育て支援施設) | 42.40% | 27.10% | 20.70% | 9.70% |
H27 | 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅 (基礎免震構造を採用した建築物である。) | 40.50% | 25.20% | 23.30% | 11.00% |
H26 | 温浴施設のある「道の駅」(10/12実施) | 40.50% | 32.70% | 20.50% | 6.30% |
H25 | 大学のセミナーハウス | 40.80% | 27.30% | 19.20% | 12.70% |
H24 | 地域図書館 (段床形式の小ホールのある施設である。) | 41.70% | 27.90% | 18.20% | 12.20% |
H23 | 介護老人保健施設 (通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。) | 40.70% | 30.50% | 18.10% | 10.70% |
H22 | 小都市に建つ美術館 | 41.80% | 27.80% | 23.50% | 6.90% |
H21 | 貸事務所ビル (1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸しスペースを計画する。) | 41.20% | 25.80% | 23.00% | 10.00% |
H20 | ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設 | 41.70% | 11.50% | 24.10% | 22.70% |
H19 | 子育て支援施設のあるコミュニティセンター | 49.40% | 22.20% | 20.00% | 8.40% |
H18 | 市街地に建つ診療所等のある集合住宅 (地下1階、地上5階建) | 31.40% | 16.80% | 26.80% | 25.00% |
H17 | 防災学習のできるコミュニティ施設 | 30.30% | 14.90% | 11.10% | 43.70% |
H16 | 宿泊機能のある「ものつくり」体験施設 | 33.50% | 12.10% | 18.50% | 35.90% |
H15 | 保育所のある複合施設 | 40.30% | 22.70% | 15.20% | 21.80% |
この表では、採点結果の区分をまとめています。
採点結果は、下記4段階に区分されます。
【採点結果の区分】
ランクⅠ:「知識及び技能」を有するもの
ランクⅡ:「知識及び技能」が不足しているもの
ランクⅢ:「知識及び技能」が著しく不足しているもの
ランクⅣ:設計条件及び要求図書に対する重大な不適合に該当するもの
つまり、ランクⅠが「設計製図の試験」の合格者という意味です。
このランクに注目すると、近年の試験はランクⅣの割合が上昇していることが分かります。
また、令和元年の試験は、ランクⅢとⅣの合計割合が60%を超えています。
これは、過去17年間で前例が無い数字です。
この要因として、あげられていることを下記に示します。
・要求されている室の欠落
・要求されている主要な室等の床面積の不適合
・延焼のおそれのある部分の位置(延焼ライン)と防火設備の設置
・防火区画(特に吹抜け部の1階部分の区画)
・直通階段に至る重複区間の長さ
・吹抜けの計画(吹抜けとなっていないもの)
以上のことが、合格基準等のPDFに記載されています。
ここから、近年の設計製図の試験では、法令への理解を重視していることが読み取れます。
課題の系統と変更点の分析表
年号 | 課題名 | 系統 | 変更点 |
---|---|---|---|
R1 | 美術館の分館 | 展示 | |
H30 | 健康づくりのためのスポーツ施設 | スポーツ | 課題文A3からA2に変更 |
H29 | 小規模なリゾートホテル | 宿泊 | 下書用紙に敷地図を掲載 |
H28 | 子ども・子育て支援センター (保育所、児童館・子育て支援施設) | 子育て | |
H27 | 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅 (基礎免震構造を採用した建築物である。) | 福祉・住居 | |
H26 | 温浴施設のある「道の駅」 | コミュニティ | |
H25 | 大学のセミナーハウス | 宿泊 | 計画の要点に図示を初出題 |
H24 | 地域図書館 (段床形式の小ホールのある施設である。) | 図書館 | |
H23 | 介護老人保健施設 (通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。) | 福祉 | |
H22 | 小都市に建つ美術館 | 展示 | |
H21 | 貸事務所ビル (1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸しスペースを計画する。) | 事務所 | 試験見直し後初試験 |
H20 | ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設 | スポーツ・宿泊 | |
H19 | 子育て支援施設のあるコミュニティセンター | 子育て | |
H18 | 市街地に建つ診療所等のある集合住宅 (地下1階、地上5階建) | 住居 | 計画の要点を初出題 |
H17 | 防災学習のできるコミュニティ施設 | コミュニティ | |
H16 | 宿泊機能のある「ものつくり」体験施設 | 宿泊 | |
H15 | 保育所のある複合施設 | 子育て |
この表では、課題の機能の系統、そして前年度の試験からの変更点をまとめています。
上表から、「宿泊」系の機能が4回出題されており、多いことが分かります。
次に多い機能は、「子育て」系です。3回出題されています。
また、近年の大きな変更点としては、課題文の用紙がA3からA2に変更となり、読解量が増えたことがあげられます。
階数や床面積、課題の特色の分析表
年号 | 課題名 | 階数 | 床面積合計の範囲 | 課題の特色 | |
---|---|---|---|---|---|
R1 | 美術館の分館 | 地上3階 | 2,000㎡以上 | 2,400㎡以下 | |
H30 | 健康づくりのためのスポーツ施設 | 地上3階 | 2,300㎡以上 | 2,800㎡以下 | |
H29 | 小規模なリゾートホテル | 地下1階 地上2階 | 2,400㎡以上 | 2,800㎡以下 | 勾配屋根 |
H28 | 子ども・子育て支援センター (保育所、児童館・子育て支援施設) | 地上3階 | 2,000㎡以上 | 2,500㎡以下 | |
H27 | 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅 (基礎免震構造を採用した建築物である。) | 地上5階 | 2,600㎡以上 | 3,100㎡以下 | 基準階 |
H26 | 温浴施設のある「道の駅」 | 地上2階 | 1,800㎡以上 | 2,200㎡以下 | 勾配屋根 |
H25 | 大学のセミナーハウス | 地上2階 | 1,500㎡以上 | 1,800㎡以下 | 勾配屋根 |
H24 | 地域図書館 (段床形式の小ホールのある施設である。) | 地下1階 地上2階 | 1,800㎡以上 | 2,200㎡以下 | |
H23 | 介護老人保健施設 (通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。) | 地上5階 | 3,400㎡以上 | 4,000㎡以下 | 基準階 |
H22 | 小都市に建つ美術館 | 地上2階 | 1,800㎡以上 | 2,200㎡以下 | |
H21 | 貸事務所ビル (1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸しスペースを計画する。) | 地下1階 地上7階 | 5,200㎡以上 | 5,800㎡以下 | 基準階 |
H20 | ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設 | 地下1階 地上7階 | 6,000㎡以下 | 基準階 | |
H19 | 子育て支援施設のあるコミュニティセンター | 地上3階 | 2,000㎡以上 | 2,500㎡以下 | |
H18 | 市街地に建つ診療所等のある集合住宅 (地下1階、地上5階建) | 地下1階 地上5階 | 3,000㎡以上 | 3,600㎡以下 | 基準階 |
H17 | 防災学習のできるコミュニティ施設 | 地上2階 | 1,800㎡以上 | 2,300㎡以下 | 既存部有 |
H16 | 宿泊機能のある「ものつくり」体験施設 | 地上3階 | 2,200㎡以上 | 2,600㎡以下 | 勾配屋根 |
H15 | 保育所のある複合施設 | 地下1階 地上3階 | 2,200㎡以上 | 2,700㎡以下 |
この表では、建物の階数や床面積、課題の特色をまとめています。
上表から、H28年から3層の課題が続いていることが分かります。
また、基準階タイプの課題は、H27年を最後に出題されていないことが読み取れます。
一方で、過去問を振り返ると、基準階タイプの課題は定期的に出題されていることが分かります。
4年以上、基準階タイプが出題されないことは前例が無いです。
まだ、令和2年の課題は発表されていませんが、基準階タイプの可能性が高いかもしれません。
敷地面積の分析表
年号 | 課題名 | X(m) | Y(m) | 面積(㎡) |
---|---|---|---|---|
R1 | 美術館の分館 | 32 | 48 | 1,536 |
H30 | 健康づくりのためのスポーツ施設 | 52 | 32 | 1,664 |
H29 | 小規模なリゾートホテル | 54 | 42 | 2,268 |
H28 | 子ども・子育て支援センター (保育所、児童館・子育て支援施設) | 50 | 36 | 1,800 |
H27 | 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅 (基礎免震構造を採用した建築物である。) | 50 | 35 | 1,750 |
H26 | 温浴施設のある「道の駅」 | 50 | 36 | 1,800 |
H25 | 大学のセミナーハウス | 50 | 35 | 1,750 |
H24 | 地域図書館 (段床形式の小ホールのある施設である。) | 50 | 35 | 1,750 |
H23 | 介護老人保健施設 (通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。) | 35 | 38 | 1,330 |
H22 | 小都市に建つ美術館 | 45 | 35 | 1,575 |
H21 | 貸事務所ビル (1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸しスペースを計画する。) | 40 | 35 | 1,400 |
H20 | ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設 | 50 | 30 | 1,500 |
H19 | 子育て支援施設のあるコミュニティセンター | 50 | 33 | 1,650 |
H18 | 市街地に建つ診療所等のある集合住宅 (地下1階、地上5階建) | 35 | 46 | 1,610 |
H17 | 防災学習のできるコミュニティ施設 | 52 | 45 | 2,340 |
H16 | 宿泊機能のある「ものつくり」体験施設 | 52 | 38 | 1,976 |
H15 | 保育所のある複合施設 | 50 | 37 | 1,850 |
平均値 | 47 | 37 | 1,738 |
この表では、敷地のX方向やY方向の長さ、敷地面積をまとめています。
上表から、敷地のX方向の平均値は47m、Y方向は37mであることが分かります。
また、敷地面積の平均値は1,738㎡です。
令和元年度は、X方向が短辺でしたが、このような敷地形状は17年間で3回のみです。
14回は、X方向が長辺、Y方向が短辺の長方形で出題されています。
構造種別の分析表
年号 | 課題名 | 構造種別 |
---|---|---|
R1 | 美術館の分館 | 自由 |
H30 | 健康づくりのためのスポーツ施設 | 自由 |
H29 | 小規模なリゾートホテル | 自由 |
H28 | 子ども・子育て支援センター (保育所、児童館・子育て支援施設) | 自由 |
H27 | 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅 (基礎免震構造を採用した建築物である。) | 自由 |
H26 | 温浴施設のある「道の駅」 | 自由 |
H25 | 大学のセミナーハウス | 自由 |
H24 | 地域図書館 (段床形式の小ホールのある施設である。) | 自由 |
H23 | 介護老人保健施設 (通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。) | 自由 |
H22 | 小都市に建つ美術館 | 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又はこれらの併用 |
H21 | 貸事務所ビル (1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸しスペースを計画する。) | 鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又はこれらの併用 |
H20 | ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設 | ラーメン構造による鉄筋コンクリート造 (一部他の構造種別と併用してもよい。) |
H19 | 子育て支援施設のあるコミュニティセンター | 自由 |
H18 | 市街地に建つ診療所等のある集合住宅 (地下1階、地上5階建) | ラーメン構造による鉄筋コンクリート造 (一部鉄骨造としてもよい。) |
H17 | 防災学習のできるコミュニティ施設 | ラーメン構造による鉄筋コンクリート造 (一部鉄骨造としてもよい。) |
H16 | 宿泊機能のある「ものつくり」体験施設 | ラーメン構造による鉄筋コンクリート造 (一部鉄骨造としてもよい。) |
H15 | 保育所のある複合施設 | ラーメン構造による鉄筋コンクリート造 |
この表では、構造種別についてまとめています。
上表より、H23年から構造種別は「自由」が続いていることが分かります。
設備計画の分析表
年号 | 課題名 | 空調設備 | 給排水衛生設備 | 電気設備 | 消火設備 |
---|---|---|---|---|---|
R1 | 美術館の分館 | 空冷ヒートポンプ、外気処理空調機を屋上に計画 | 適切に計画 | 屋上に計画 | 1階に計画 |
H30 | 健康づくりのためのスポーツ施設 | 適切に計画 | 適切に計画 | 屋上に計画 | 適切に計画 |
H29 | 小規模なリゾートホテル | 外気処理空調機 + ファンコイルユニット方式 | 給湯設備は中央式給湯方式 | 地下1階に計画 | 適切に計画 |
H28 | 子ども・子育て支援センター (保育所、児童館・子育て支援施設) | 適切に計画 | 適切に計画 | 適切に計画 | 適切に計画 |
H27 | 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅 (基礎免震構造を採用した建築物である。) | 適切に計画 | 適切に計画 | 適切に計画 | 適切に計画 |
H26 | 温浴施設のある「道の駅」 | 適切に計画 | 給湯設備は中央式給湯方式 | 適切に計画 | 適切に計画 |
H25 | 大学のセミナーハウス | 適切に計画 | 適切に計画 | 適切に計画 | 適切に計画 |
H24 | 地域図書館 (段床形式の小ホールのある施設である。) | 適切に計画 単一ダクト(小ホール) | 適切に計画 | 適切に計画 | 適切に計画 |
H23 | 介護老人保健施設 (通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。) | 空冷ヒートポンプマルチ型エアコン | 受水槽方式 | 適切に計画 | 適切に計画 |
H22 | 小都市に建つ美術館 | 適切に計画 | 適切に計画 | 適切に計画 | 適切に計画 |
H21 | 貸事務所ビル (1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸しスペースを計画する。) | 適切に計画 | 適切に計画 | 適切に計画 | 適切に計画 |
H20 | ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設 | 適切に計画 | 適切に計画 | 地下1階に計画 | 適切に計画 |
H19 | 子育て支援施設のあるコミュニティセンター | 適切に計画 | 適切に計画 | 地上階に計画 | 適切に計画 |
H18 | 市街地に建つ診療所等のある集合住宅 (地下1階、地上5階建) | 空冷ヒートポンプパッケージ方式 (住戸部分は除く。) | 適切に計画 | 地下1階に計画 | 適切に計画 |
H17 | 防災学習のできるコミュニティ施設 | 空冷ヒートポンプパッケージ方式 | - | 地上1階に計画 | - |
H16 | 宿泊機能のある「ものつくり」体験施設 | 単一ダクト方式と個別方式とを併用 | - | 地上1階に計画 | - |
H15 | 保育所のある複合施設 | 単一ダクト方式と個別方式とを併用 | - | 地下1階に計画 | - |
この表では、設備計画についてまとめています。
上表より、令和元年度は空調設備と電気設備、消火設備に指定があったことが分かります。
また、電気設備は、3年連続で位置が指定されていることが読み取れます。
要求図書の分析表
年号 | 課題名 | 地階 | 1階 | 2階 | 3階 | 基準階 | 梁伏 | 断面 | 立面 | 面積表 | 計画の要点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
R1 | 美術館の分館 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H30 | 健康づくりのためのスポーツ施設 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H29 | 小規模なリゾートホテル | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H28 | 子ども・子育て支援センター (保育所、児童館・子育て支援施設) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H27 | 市街地に建つデイサービス付き高齢者向け集合住宅 (基礎免震構造を採用した建築物である。) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H26 | 温浴施設のある「道の駅」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H25 | 大学のセミナーハウス | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H24 | 地域図書館 (段床形式の小ホールのある施設である。) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H23 | 介護老人保健施設 (通所リハビリテーションのある地上5階建ての施設である。) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
H22 | 小都市に建つ美術館 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H21 | 貸事務所ビル (1階に展示用の貸スペース、基準階に一般事務用の貸しスペースを計画する。) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H20 | ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H19 | 子育て支援施設のあるコミュニティセンター | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H18 | 市街地に建つ診療所等のある集合住宅 (地下1階、地上5階建) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
H17 | 防災学習のできるコミュニティ施設 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
H16 | 宿泊機能のある「ものつくり」体験施設 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||||
H15 | 保育所のある複合施設 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
この表では、要求図書についてまとめています。
上表から、H27年からは平面図3面+断面図+面積表+計画の要点が要求されていることが分かります。
H21年からH26年は、平面図1面の変わりに、梁伏図が要求されてたようです。
また、立面図が要求されたのはH17年のみであることが読み取れます。
まとめ
ここまで、一級建築士の「設計製図の試験」の過去問を分析してきました。
この記事の振り返りとして、重要な部分をまとめたいと思います。
①合格基準等のPDFは、試験対策をする上でとても大切。
→建築技術教育普及センターの過去問ダウンロードページ
②近年の試験はランクⅣの割合が上昇している。
③令和元年の試験は、ランクⅢとⅣの合計割合が60%を超えており、過去17年間では前例が無い。
④近年の設計製図の試験は、法令への理解を重視している。
⑤過去17年間で、「宿泊」系の機能が4回出題されている。
⑥近年の設計製図の試験は、課題文の用紙がA3からA2に変更となり、読解量が増えている。
⑦過去17年間で、4年以上基準階タイプが出題されないことは前例が無い。
⑧過去17年間の敷地面積の平均値は、1,738㎡。
⑨H23年から構造種別は「自由」が続いている。
⑩電気設備は、3年連続で位置が指定されている。
⑪H27年からは平面図3面+断面図+面積表+計画の要点が要求されている。
⑫立面図が要求されたのはH17年のみ。
この記事が、これから資格取得を目指す方にとって、少しでもお役に立てば幸いです。
最後まで記事をご覧いただきまして、ありがとうございました。